貼り紙が増えるほど、どれも読まれなくなる
書いた人: 服部健太(一宮ではかぜ整体院を経営)
入口のガラス戸に「駐車場はこちら」。その下に「現金のみです」、横に季節のお知らせ。レジ横には「ポイントカードはお済みですか」と、去年の年末年始の営業案内がまだ残っている。
一枚ずつ思い出すと、どれも理由があって貼ったものです。お客さんに何度も聞かれたから。言い忘れて気まずい思いをしたから。
それなのに、お客さんはまた同じことを聞いてきます。「現金だけですか?」と、その貼り紙の真下で。
読まれないのは、貼り紙が悪いからではない
人は、文字がたくさん並んでいる場所を「模様」として見てしまうそうです。一枚だけなら目に入る紙も、十枚並ぶと壁の柄になる。書いてある中身がどれだけ大事でも、そこまで目が届きません。
しかも貼り紙は、足すときは一瞬で、はがすときは迷います。「これを外したら、また聞かれるかも」と思うと手が止まる。だから増える一方になるのが普通です。
私も以前運営していた飲食店で、レジ横のPOPを作り直したことがあります。そのとき考えていたのは、新しく何を足すかばかりでした。周りに何枚貼ってあるかは、正直ほとんど見ていなかった。
全部はがす必要はありません。順番さえ決めておけば、はがすときの迷いはだいぶ小さくなります。
今日からできる最初の一歩
②で一覧にしてもらうと、自分の店なのに「こんなに貼ってあったのか」と驚くはずです。毎日見ている壁ほど、店主には見えていません。
減らしたあとは、一週間だけ同じ質問をされる回数を気にしてみてください。減ったら、その場所のやり方で合っています。
- ① 店の外と中の貼り紙を、スマホで全部撮る。一枚ずつでなく、壁ごとで構いません
- ② 写真をAIに渡して「貼り紙を一覧にして、それぞれ誰に何を伝えたいのか一行でまとめて」と頼む
- ③ 一覧を見ながら、期限が過ぎたもの・同じことを二枚で言っているものに印をつける。ここは迷わずはがせます
- ④ 残った中から「知らないとお客さんが困ること」を一つだけ選び、その一枚の周りを空ける。伝えたいことより、困ることを優先します
入り口の先へ
どれを残してどこに貼るかは、お店の広さや、お客さんがどこで立ち止まるかで変わります。レジ前で待つ時間が長いお店と、入口で靴を脱ぐお店では、読まれる場所がまるで違う。
20分の無料AI診断では、撮ってきてもらった店内の写真を一緒に見ながら、どこから減らすかを決めるところから始めています。写真が数枚あるだけで、話はかなり早くなります。