引き継ぎが口頭だけだと、休んだ日に仕事が止まる
書いた人: 服部健太(一宮ではかぜ整体院を経営)
朝、今日は休まないといけないと決めた瞬間から、頭の中で段取りが始まります。あの業者さんへの発注は今週だったか。予約の変更の電話は誰が受けるのか。月末の締めの手順は、口で教えたことはあるけれど、紙にはどこにも書いていない。
小さなお店の引き継ぎは、だいたい口頭です。「これ、こうやっといて」で回ってきたし、回っているあいだは何の問題もありません。
困るのは、教えた本人がいない日です。休みの日に電話が鳴って、布団の中で説明する。休んだ気が、あまりしない。
止まるのは、たまにしか来ない仕事
口で教えるのが悪いわけではないんです。聞いた人はその場ではちゃんと分かっている。ただ、一回聞いただけの手順は、次にやるのが一か月後なら細かいところから抜けていきます。毎日やる仕事は体が覚えるので、止まりやすいのはむしろ、たまにしか来ない仕事のほうです。
私がこれを思い知ったのは、AIと一緒に仕事をするようになってからでした。AIは、前の日の会話を覚えていないことが多い。毎朝、初めて来たスタッフに一から説明し直しているような状態です。
面倒になって、作業の終わりに「今日やったこと、決めたこと、残っていること」を短く書き残すようにしました。次の日はそれを渡すだけで、続きから始められます。
しばらく続けて読み返したら、これがそのまま、自分が休んだ日の引き継ぎ書になっていました。AIのために書いていたつもりだったのに。
引き継ぎ書を作ろう、と構えると重くなります。全部の仕事を手順書にするのは、忙しいお店ではまず続きません。先に見つけるのは、自分がいない日に止まる仕事だけで足ります。
今日からできる最初の一歩
④は、手順を整えてもらうより、質問してもらうほうが効きます。書いた本人には当たり前すぎて抜けている一行を、AIは遠慮なく聞いてくるので。答えを書き足していくと、手順が自然に埋まっていきます。
一か月に一つで十分です。一年たつころには、休みの日の電話はだいぶ静かになっているはずです。
- ① 自分が一週間休むと仮定して、「電話で聞かれそうなこと」を思いつくまま書き出す
- ② その中で、月に一回くらいしか来ない仕事に印をつける
- ③ 印のついた仕事を次にやるとき、スマホの音声メモを回しながら作業する。「ここでこのボタン」「この業者さんは午前中に電話」と、ひとりごとで構いません
- ④ 声を文字にしてAIに渡し、「初めてこの仕事をする人として、分からないところを質問して」と頼む
入り口の先へ
どの仕事から書き残すか、書いたものをどこに置くかは、お店の人数や休み方で変わります。紙のファイルが合うお店もあれば、全員がスマホで見られる共有メモのほうが合うお店もある。
20分の無料AI診断では、この「いない日に止まる仕事」を一緒に書き出すところから始めています。書き出しが途中でも、思いついた分だけ持ってきてもらえれば大丈夫です。